文字校正のチェックポイント①

校正者は、様々な観点から校正をしていきます。

経験豊かな校正者ほどその観点が多いと思います。ミスをした、またはミスを起こしそうになったといったことも含めて、これまでの校正経験が多ければ「どこに気を付けて校正をしているか」という観点も増えていくと言ってもよいでしょう。そしてそれは媒体や校正者により多種多様です。

【時間的な観点で見る】

社内報は毎月発行や年4回などの隔月発行がありますが、新年号はほとんどの会社で発行されます。

その新年号で注意しなければならない一つとして、西暦年や年号の「年」の記載があります。

まず、表紙に記載された年は、前号が「2020」であれば「2021」であることを確認しなければなりません。後ろの奥付に記載された発行年も年明けに発行されるのであれば同様に注意します。

また、社内報で社長挨拶など毎年決まって掲載されるものは、レイアウトやタイトルの表記が定型であることが多く、校正も比較的楽と思いますが、決まっているからこそつい油断をして、年のチェックを落としてしまうことがあるので、注意が必要です。タイトルの大きな文字が間違っているのは大変なマイナスイメージになってしまいます。

 

社内報記事には、文中に年月日表記がよく見られます。記事は原稿執筆を社内の人に依頼して書いてもらうことが多いと思いますが、執筆者はたいてい、発行日がいつかを考慮して書いていません。考慮されていない文面と判断したら、例えばその記事の中に「昨年」という表記があれば、発行日が年明けであるならば「一昨年」あるいは「2019年」と修正する必要があります。また「来年」「来春」などとある場合も、「今年」「2021年」「今春」などとします。

また、新年号に入れる記事は昨年の出来事や実施された内容が大半ですので、昨年の内容ということがわかるように文中に「昨年」または「2020年」を入れるか、あるいは入れないかを全体で統一したほうがよいでしょう。

 

 

 

社内報など定期刊行物においては「発行日」を起点とした観点は、重要なチェックポイントです。

もし記事の中に何かの開催日や商品の発売日などの表記があれば、それが発行日よりも前であれば文章を「過去形」に、後であれば「発売予定です」など未来を表す表記であることの確認が必要です。

 

もう一つ、年や年度の使い方にも注意が必要です。

基本的に役所や学校などの公的機関においては、4月1日~翌年3月31日の期間である「年度」が使われます。

日本の法人企業においても公的機関に合わせて「年度」を使うことが多いですが、なかには事業年度を11日~1231日や、6月や8月で区切る企業もありますので、発行日に合わせて「今年度」なのか「来年度」なのか、それぞれ確認する必要があります。

 

このように、年が変わると時間的な観点で気を付けなければならないポイントがいくつも出てきます。

 

これから、校正する際に役立つ「必要なチェックポイント」をいくつかご紹介していきたいと思います。

 

 

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