便利な「消せるボールペン」フリクション
~重要書類や文字校正には使わないで!
皆さん書いた文字が消せる、便利な消せるボールペンをお使いでしょうか。
先日、役所に郵送する書類を持って車で出かけました。途中、別の用事があったため郵送することを失念し、翌日に郵便局に向かいました。まる一日車に書類を置いておいたことなります。
さて、郵便局に着いて書類を入れた封筒の差出人面を何気にチェックしてみると、なんと書いたはずの文字がすっかり消えているではありませんか!「おかしいな、書き忘れたかな?」とも思ったのですが、よく見ると、文字の筆圧が残っています。「まさか、封筒の中身も消えているのか?」と封を開け中身を確認してみると、書類に記入した文字のほとんどが消えかかっています。
これには驚きました。慌てて郵便局の窓口で書き直すはめに・・。郵送物は定額給付金の申請書類だったので、危うく給付金をもらい損ねるところでした。笑
「ちょっと待てよ。何で文字が消えているんだ?」帰って書いたペンを確認してみると、この書類は消せるボールペンで記入していました。
消せるボールペンは、PILOT社のフリクションペンが有名ですよね。なぜ消せるかご存じですか?
PILOT社のWebサイトによると、独自の「フリクションインキ」は60℃以上の温度になるとインキの色が透明になる性質があるため、後ろのラバーでこすると、生じる摩擦熱で書いた文字が消せるそうです。
書類の文字は、真夏の炎天下での車内に置いたために消えてしまったと思われます。車内温度はフリクションが消えるほどの温度、60℃以上だったということになります。
色々と文章を書いていますが、肝心な消えている写真を撮り忘れました・・。 (^-^;
そこで・・。改めて実験をしてみることにしました。
今回は分かり易いように、出力した用紙に赤色のフリクションペンで文字校正を入れた文書を、テスト材料としてみました。
車に置く前の用紙
ダッシュボードの上に置いておきます。
お昼前の時点で、車外の気温は既に33度を指しています。
さてどうなったでしょうか?
見事に消えました!
このように、温度によって消すことのできるフリクションですが、簡単で便利な反面、上記のように重要な書類に記入するには適さないと言えます。実際、各自治体では改ざんや悪用防止に公文書へのフリクションの使用を禁止していますし、PILOTのWebサイトにも「証書類・宛名など消えてはいけないものには使用しないでください」と書かれています。
文字校正においても然りで、フリクションを使った赤入れは消える可能性があり、いくら何度も消したり書き直せるからといって安易に使うべきではないと思います。
と言っても、私のように「フリクション」と気が付かず、記入してしまう方も多いかと思います。書く前に一度ペンを確認する、他のボールペンとは別の場所保管するなど、気をつけていきたいものですね。