◆「いづれか」「いずれか」 どっちが正しい?
文章を書いていて、「いづれか」と「いずれか」、どちらが正しいんだろう?と疑問に思ったことはありませんか?
これは、古語と現代語の違いです。
「いづれか」は 歴史的仮名遣い(古語)
「いずれか」は 現代仮名遣い
どちらが正しいということではなく、今日では現代仮名遣いの「いずれか」が用いられます(漢字表記:何れ)。
中学校で習った『枕草子』でも有名な「いとをかし」(歴史的仮名遣い)は、みなさん見覚えがありますよね…?
これを現代仮名遣いに直すと「いとおかし」となります。
ここで、少しおさらいしてみましょう。
■歴史的仮名遣いを現代語に変換する際のルール
1. 語頭と助詞以外の「は・ひ・ふ・へ・ほ」は「わ・い・う・え・お」に変換
例)あはれ ⇒ あわれ
2.「ぢ・づ」は「じ・ず」に変換
例)ふぢの花 ⇒ ふじの花
3.「ゐ」「ゑ」助詞以外の「を」は、「い・え・お」に変換
例)ゐなか⇒いなか こゑ⇒こえ をとこ⇒おとこ
4. 「む」「らむ」「けむ」「なむ」などの「む」は、「ん」に変換
5. 「くわ・ぐわ」は、「か・が」に変換
例)さんぐわつ ⇒ さんがつ
6.「-eu」「-ehu」の部分は「-you」に置き換えます。
例)てふてふ(t ehu)⇒ ちょうちょう(t you)
けふ(k ehu) ⇒ きょう(k you)
〈「いずれか」の意味〉
「いずれか」とは、「複数ある中のどれか」の丁寧な表現として用いられる言葉です。
例文)
パンの缶詰(3年保存)は、オレンジ、ブルーベリー、ストロベリーの「いずれか」のフレーバーをお選びいただけます。
ちなみに、「いずれか」の類語に「どれか」がありますが、同じような意味でいて微妙に違いがあります。
例文)
・テーマをどれにしようか迷う。
・どれでも好きなものを選びなさい。
のように、選択肢が多く限定できないものを指し示す場合に使われます。
一方で「いずれか」は、選択肢は複数ですが二つないしは三つ程度の場合に使われるようです。
日本語って、微妙なニュアンスの違いがあって興味深いですね…!
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