社内報・会報誌・広報誌のペーパーレス化、そのメリットとデメリット
デジタル時代の最適な情報発信を
ペーパーレス化の波は、社内報や広報誌にも押し寄せています。
しかし、このデジタル移行には、メリットとデメリットが共存しているのが現実です。
今回は、その両面を掘り下げてみましょう。
ペーパーレス化のメリット
環境への配慮:
紙の使用量が減ることで、森林伐採の抑制やCO2排出の削減につながります。
ただし、現在日本に輸入され製紙原料となる木材チップの多くは、持続可能な
森林経営がおこなわれている地域からの輸入となっています。
森林伐採というと、ジャングルの木を伐採し緑豊かな地域の減少を思い浮かばれる方も
いるかもしれませんが、熱帯雨林の多種多様な木材では、均一原料を必要とする
製紙には向いておらず、これらの樹木は用いていないとのこと。
そのことは念頭に検討したほうが良いようです。
引用:日本製紙連合会HP
コスト削減:
印刷や配送費などにかかるコストが削減され、経済的です。
情報アクセスの容易性:
デジタル化により、情報の検索や共有が簡単になります。
更新の容易性:
印刷物では版を重ねるたびに新たな印刷が必要ですが、
デジタルフォーマットなら、内容の修正や更新が迅速にできます。
持ち運びの利便性:
多くの情報を小さなデバイスに保存できるため、物理的なスペースを取らずに
持ち運びが可能です。
ペーパーレス化のデメリット
初期導入コスト:
デジタル化に必要な機器やソフトウェアの導入、社員のトレーニングなど、
初期費用がかかる場合があります。
デジタルデバイド:
デジタル機器へのアクセスが限られている人々にとっては、
ペーパーレス化は不便になる可能性があります。
セキュリティリスク:
デジタルデータは、サイバー攻撃やデータ漏洩のリスクがあります。
適切なセキュリティ対策が求められます。特に個人情報を含む社内報は、
漏洩時の対応まで検討しておく必要がありそうです。
デバイス依存:
デバイスの故障やバッテリー切れなど、機械的なトラブルが発生すると
情報にアクセスできなくなるリスクがあります。
健康問題:
長時間のスクリーン閲覧は、目の疲れや頭痛など、
健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
興味のある部分しか読まない:
デジタル冊子では、読者が全体を読まずに興味のある部分だけを読むことがあります。
これにより、全体の理解が不足したり、断片的な情報による誤解を招いたりする
リスクがあります。
人は自分の嗜好に基づいて無意識に情報を選択し、
Webのアルゴリズムはそれを助長します。Web化された情報においても、
自分の興味や関係のある情報のみを閲覧し、興味や関係の薄い情報には
全く触れない可能性があります。その場合、視座の高いキャリア形成を目的とした
冊子は、その機能を十分に発揮できないかもしれません。
速報性が求められる情報や専門性の高い情報はペーパーレスで配信し、
人間形成を育むことを目的とした内容は冊子で伝えるなど、
情報伝達の方法を各社のスタイルに合わせて発信することが重要です。
デジタル化が進む一方で、紙の冊子が持つ温かみや信頼性は、
今日でも重要な価値を持ち続けています。ペーパーレス化が進む
社内報や会報誌・広報誌においても、紙のメディアが果たす役割は
決して小さくありません。デジタル化のメリットを活かしながらも、
紙の冊子が提供する独特の利点を探求し、両者のバランスを取ることは重要です。
紙の冊子を発行するメリット
情報の確実な伝達:
ペーパー版の冊子は、電子媒体よりも信頼性が高いと
見なされることがあります。特に、オフィス内では、全員に配布されるため、
情報が確実に伝わります。
アクセスの容易性:
デジタルの場合はすべての人がアクセスできるわけではありませんが、
紙の場合は、オフィス内の共有スペースやデスクで自由に閲覧できます。
可視性とリマインダー:
紙の冊子はデスク上に置いたりすることができるので、
重要な情報が見逃されることなく、リマインダーとして機能します。
感覚的な価値:
紙の冊子は、物理的な存在感があります。読者はそれを手に取り、
読むことで感覚的な価値を得ることができます。
これはデジタルメディアでは得られないものです。
デジタルとアナログの特性を活かし、情報伝達の最適化を
現代のコミュニケーションは、デジタルとアナログのメディアを
巧みに組み合わせることで、その効果を最大限に発揮します。
社内報・会報誌・広報誌の情報伝達においても、この原則は非常に重要です。
緊急性の高いリアルタイムが要求される情報は、
迅速な更新が可能なデジタル形式で、一方で、企業文化の醸成や
従業員のキャリア形成に関する内容は、紙の冊子を通じて伝えることで、
全ての従業員が必要な情報にアクセスしやすくなるだけでなく、
企業の情報伝達を最適化することができます。
デジタルとアナログのバランスの取れたアプローチは、
社内のコミュニケーションを強化し、
組織全体の効率と生産性を向上させます。
社内報・会報誌・広報誌の紙媒体の制作、Web化については、
豊富な技術と経験を活かし、情報の価値を最大限に引き出します。