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東京文京区 護国寺 の広報をデザインする会社、株式会社ユー・エス・エスです。
先日、お彼岸についての豆知識をご紹介しましたが、今日はお彼岸のお供え物である「おはぎ」についての豆知識をご紹介いたします。
お彼岸といえば「おはぎ」を思い浮かべる人が多いかもしれません。おはぎは、日本の伝統的な和菓子であり、特にお彼岸の時期に先祖へのお供え物としてよく作られます。しかし、おはぎはただの甘いおもちではなく、その名前の由来や作り方、地域ごとの違い、そして現代における楽しみ方まで、さまざまな興味深い要素が詰まっています。ここでは、おはぎについてもっと詳しく見ていきましょう。
おはぎは秋に食べることが多いため、「萩(はぎ)」という秋の花の名前から来ています。一方、春のお彼岸に作る同じ形の和菓子は「ぼたもち」と呼ばれていますが、これは春に咲く「牡丹(ぼたん)」の花にちなんだものです。つまり、季節によって名前が変わるだけで、基本的には同じ食べ物です。
しかし、地方や家庭によって微妙に異なる作り方や形があり、名前も少しずつ違う場合があります。また、江戸時代の頃には、砂糖が貴重品であったため、おはぎやぼたもちは特別な行事の時にのみ作られ、今よりもはるかに贅沢な食べ物でした。
おはぎはもち米(またはもち米と白米の混合)を使って作ります。もち米を炊いた後、軽くつぶして餡(あん)で包むのが一般的です。餡は甘く煮た小豆をつぶして作りますが、地域や家庭によってはこし餡(あんこを裏ごししたなめらかな状態)や、つぶ餡(小豆の粒が少し残っている状態)など、好みに応じて変わることがあります。
また、おはぎの外側には餡以外にも、きな粉やごまをまぶすバリエーションもあります。きな粉をまぶしたものは特に甘さが控えめで、素朴な風味が楽しめます。ごまは黒ごまを炒って細かくすり、砂糖を混ぜたものを使います。ごまの香ばしさと甘みが絶妙に合わさって、おはぎの別のおいしさが楽しめます。
おはぎの大きさや形は多様で、一般的には手のひらサイズの小さな楕円形が多いですが、地域によっては大きめのものもあります。形状もさまざまで、まんまるなものから半分つぶした平たいものまであります。
お店のおはぎは美しく均一ですが、手作りのものは不揃いな形が温かみを感じさせます。このような違いは、作り手の個性や家庭の伝統を反映しており、同じおはぎでも家庭ごとに独特の味や形があります。
おはぎは作り手の温かさや伝統が込められた、個性豊かな一品なのです。
お彼岸は先祖を供養する期間であり、その際にお供えするおはぎは特別な意味を持っています。おはぎの餡に使われる小豆は赤い色をしているため、古くから邪気を払う力があると信じられてきました。お彼岸におはぎをお供えすることで、先祖を守り、家庭の無事を祈る気持ちが込められています。
また、おはぎは季節の移り変わりを感じさせる食べ物でもあります。秋のお彼岸には、新米が収穫される時期でもあり、もち米を使ったおはぎはその年の豊作を祝う意味合いもあります。先祖への感謝とともに、自然の恵みにも感謝することが、お彼岸の大切な意義のひとつとなっています。
日本全国で親しまれているおはぎですが、地方によって少しずつ違いがあります。例えば、関西地方では、餡で包んだおはぎに、さらにきな粉をまぶすスタイルがよく見られます。一方、関東地方では、きな粉を使わないシンプルなおはぎが主流です。
また、最近ではスーパーやコンビニでもおはぎが販売されており、季節に関係なく食べられるようになっています。昔ながらの手作りおはぎとは違い、冷蔵保存ができるように工夫された商品も多く、手軽に購入できるため、若い世代にもおはぎが広がっています。
さらに、洋風アレンジのおはぎも登場しています。チョコレートや抹茶風味の餡を使ったり、もち米の代わりに洋菓子の材料を使うなど、さまざまな新しいスタイルのおはぎが注目されています。
現代では、お彼岸だけでなく日常のおやつとしてもおはぎが楽しまれています。特に和菓子を愛する人々の間では、おはぎはヘルシーなおやつとして人気です。もち米と小豆はどちらも栄養価が高く、エネルギー補給にも最適です。
さらに、おはぎは作る工程がシンプルなため、家庭で手作りするのも楽しいです。特に子どもたちと一緒に作る場合は、餡を包む作業やきな粉をまぶす作業が一緒にできるので、家族のコミュニケーションの場としてもぴったりです。
おはぎは、日本の食文化と伝統を体現する和菓子として、時代を超えて愛され続けています。その素朴な味わいと作り方の簡便さで、家庭の温もりや季節の移ろいを感じさせる特別な魅力があります。
また、お彼岸の供え物としての役割から日常的なおやつまで、おはぎの楽しみ方は多様化しています。地域ごとの特色や新しいアレンジも加わり、おはぎは今も進化し続けています。
これからも、おはぎは日本の食文化の豊かさを伝える大切な存在であり続けるでしょう。