こんにちは。
東京文京区 護国寺 の広報をデザインする会社、株式会社ユー・エス・エスです。
日本語には、同じ読みでも、使う漢字によって微妙な意味の違いがあります。今回は、その中でも特に迷いやすい「堅い」「硬い」「固い」の違いと、それぞれの使い分け方についてご説明します。
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「堅い」は、物事がしっかりとしていて、丈夫であることを意味します。また、確実で信頼できるさまや、真面目で几帳面な性格を表す場合にも使われます。
「硬い」は、物質が外からの力に対して強いことを意味します。また、人の表情や態度がぎこちない、柔軟性に欠けるさまを表すこともあります。
「固い」は、物事が変化しにくく、結びつきが強いことを意味します。また、信念がしっかりしていて揺るぎないさまを表す場合にも使います。
訓読みが同じ漢字の使い分けを見分けるには、その漢字が本来持っている意味から考える方法と、その漢字を含む熟語から推測する方法があります。ところが、この「かたい」の場合は、これらの方法でも納得のいく答えが得られないことが多いのです。この場合は、対義語を考えてみると良いでしょう。
「堅い」の対義語は「もろい」
「硬い」の対義語は「やわらかい」
「固い」の対義語は「ゆるい」
これらの対義語を思い浮かべることで、適切な漢字を選ぶ手助けになります。
それでも使い分けに迷う場合は、平仮名書きにします。
また慣用表現として、原則とは異なる表記が定着している場合もあります。迷ったときは辞書をひき正しい漢字を使い分けることで、より正確に伝えることができるでしょう。
参考
明鏡国語辞典(第二版)_大修館書店
広辞苑(第七版)_岩波書店
三省堂国語辞典(第八版)
記者ハンドブック(第14版)_共同通信社 など