企業サステナビリティ報告指令(Corporate Sustainability Reporting Directive、略してCSRD)
こんにちは。
東京文京区 護国寺 の広報をデザインする会社、株式会社ユー・エス・エスです。
突然ですが、みなさんは「企業サステナビリティ報告指令(Corporate Sustainability Reporting Directive、略してCSRD)」って、ご存じですか?
CSRDとは、欧州連合(EU)が制定した指令で、企業に対して環境、社会、ガバナンス(ESG)に関する情報をより詳細かつ透明に報告することを義務付けるルールですが、EU内に拠点を持つ企業にお勤めの方はお聞きになったことがあるのではないでしょうか?
この記事では、最近話題のCSRDについて、簡単に解説いたします。
背景
従来の非財務情報報告指令(NFRD:Non-Financial Reporting Directive)の拡張版として、サステナビリティやESGに関する報告の質と範囲を向上させる目的で導入されました。これにより、投資家や消費者が企業の持続可能性に対する取り組みをより正確に評価できるようになります。
主なポイント
- 対象となる企業
CSRDの対象は、これまでのNFRDよりも拡大され、以下の企業が報告義務を負います:- EU内に拠点を持つ企業(一定の規模以上)
- EU市場で活動する第三国の企業(一定条件を満たす場合)
具体的な条件:- 従業員が250人以上
- 売上高が4,000万ユーロ以上
- 総資産が2,000万ユーロ以上
- 報告内容の詳細化
CSRDでは、企業が以下の情報を具体的に報告することが求められます:- 環境への影響(温室効果ガス排出量、資源の使用状況など)
- 社会的要因(労働環境、人権、ジェンダー平等など)
- ガバナンス(リスク管理、取締役会の構成、倫理規範など)
- 基準の統一化
報告内容は、**EUサステナビリティ報告基準(ESRS: European Sustainability Reporting Standards)**に従って記載する必要があります。これにより、各企業の情報が比較しやすくなります。 - 監査の義務化
提出されたサステナビリティ報告書は、第三者による監査を受ける必要があります。これにより、報告内容の信頼性を確保します。 - 段階的な導入
CSRDの適用は、企業の規模や特性に応じて段階的に進められます:- 2024年:大企業(2025年に初回報告)
- 2026年:中小企業(中小企業には簡略化された基準が適用)
CSRDの目的
- 透明性の向上
企業の持続可能性に関する情報を標準化することで、ステークホルダーにとっての透明性を向上させる。 - 投資家への支援
ESG投資を行う投資家が、企業の取り組みを正確に評価できるようにする。 - 持続可能な経済の推進
EU全体でカーボンニュートラルや社会的責任を重視した経済への移行を加速させる。
日本企業への影響
- 日本企業でも、EU市場に拠点を持つ場合やEUで活動する場合、CSRDの対象となる可能性があります。
- サプライチェーン全体の透明性が求められるため、日本企業が間接的に報告義務に対応する必要が出る場合もあります。
CSRDは単なる報告義務の強化だけでなく、企業に対して持続可能性をビジネスの中心に据えるよう促す、大きな規模の改革とも言えます。