コロナ禍の勤務形態として一気に振興した感のあるテレワークですが、新しい生活様式として定着しはじめています。そうしたなか浮き彫りになってきた課題が、社内のコミュニケーション不足です。社員間の親睦が希薄になれば、社員の帰属意識の低下も懸念されます。
会社への帰属意識は「自分は○○会社の社員である」「私は○○チームの一員である」ということを自覚する意識ですが、単に会社に所属している、あるいは課せられた仕事をこなしているというだけでは生まれにくいものです。
帰属意識があれば仕事に対する「責任感」とともに、主体的に会社の事業活動に従事しているという「喜び」や「誇り」といったメンタル面が醸成されます。これはモチベーションの保持にも大変役立ちます。
また、自分と同じように働く仲間への共感として組織の中で芽生える仲間意識や、自分もその一員であるという確認と同時に安心感も得られます。
会社という組織のなかで、いろんな仲間と関わりあって共に企業価値を高めていく、「仲間と共にこの会社でがんばろう!」と思う感情であり、やがて醸成されていくものが帰属意識です。
この帰属意識を高めるにはまず会社側から社員への働きかけが必要で、そんなときに役立つインナーコミュニケーションの代表格が「社内報」です。今のような状況下でも社員が同じ志をもって仕事をしていくためには、会社側は何より社員にこの会社で働くことの安心感を発信し続けなければなりません。その役割を担うのが社内報です。
最も分かりやすいのが社内報を手にする、あるいはWeb版にアクセスするときの反応でしょう。社内報で経営者のメッセージを読むとき、仲間の活躍を見るとき、プロジェクトのチームが紹介されるとき、同僚の顔や声が届くとき、これらすべては、会社や仲間との連帯感の確認であり帰属意識なのです。
働く社員は会社との信頼と連帯感で結ばれているという自覚のもとに、自分のポテンシャルを発揮できるものです。
連帯感から団結力や結束力が生まれ、その力が強いほど仕事で大きな成果があげられます。
コロナ禍の社員の不安を払しょくするために、社内報で伝えるべきことは何でしょうか。
-トップから社員に向けて会社の状況、思いやメッセージを発信する
-社員の活躍や貢献に焦点を当て、帰属意識やがんばる起爆剤にする
-テレワーク中の社員の仕事の様子を紹介し、積極的に「働き方改革」を考えるきっかけとする
-顧客や関係会社からの温かい言葉や期待の声を取り上げて、社員の士気を高める
-社員間で心の支えになるような交流コーナーをつくる
企画例を少し挙げてみましたが、今こそ社内報の役割を見つめ直し、「会社と社員の結束力や絆を強める」社内報づくりに力を入れてみてはいかがでしょうか。