社内報、会報誌、広報誌は、企業や団体の「顔」とも言える重要なコミュニケーションツールです。しかし、複数のスタッフが作成に関わることで、思わぬ落とし穴が潜んでいることをご存知でしょうか。その一つが「用字用語の不統一」です。
今回は、なぜ用字用語の統一が重要なのか、そしてどのように実践すべきかについて、具体例を交えながら詳しく解説していきます。
異なる執筆者がいると、同じテーマについても異なる表現や用語が使われることが少なくありません。例えば、「お知らせ」と「おしらせ」や、「活動報告」と「活動報告書」のように、同じ内容を指しながら異なる表現が使われてしまうことがあります。
用字用語を統一することで、コンテンツ全体のトーンやスタイルが一貫し、読み手にとってスムーズな読みやすさを実現できます。一貫性のあるコンテンツは、企業や団体の信頼性を高める効果があり、特に新しい顧客や会員に対して好印象を与えることができます。
広報誌や会報誌は、外部への発信が主な目的です。このため、用字用語の統一はブランドイメージの向上に直接関わります。例えば、ある企業が新しい製品ラインを発表する際、「新製品発表会」と「新商品発表会」という表現が混在していたとします。これでは読者に混乱を与え、企業の一貫性や専門性に疑問を抱かせる可能性があります。
具体的には:
このような微妙な違いが、読者の製品に対する印象や期待に影響を与える可能性があります。一貫した表現を使用することで、企業のメッセージがクリアに伝わり、プロフェッショナルな印象を与えることができます。特に業界内でのポジショニングを確立するためには、このような言葉の選び方が大きな役割を果たします
用字用語が統一されていないと、読者に誤解を与えるリスクが高まります。
たとえば、「売上」と「売り上げ」。同じ意味ですが、表記が異なると読者は「何か違いがあるのかな?」と考えてしまうかもしれません。また、「顧客」と「お客様」、「利益」と「利潤」のように、ニュアンスが微妙に異なる言葉の使い分けも重要です。一見似た言葉でも、実際には異なる意味があるのです。これらが混同されると、読者は正確な情報を得ることができず、企業や団体に対する信頼が損なわれる可能性があります。
用字用語を統一することでメッセージが明確になり、信頼性が向上します。用字用語の統一は、正確な情報伝達の基礎となり、組織の信頼性向上につながるのです。
用字用語を統一するスタイルガイドを作ると、仕事がぐっとスムーズになります。
例えば、新入社員の田中さんが初めて社内報の原稿を書くとします。「締め切り」「締切」「〆切」…どれを使えばいいの?と悩むかもしれません。でも、スタイルガイドがあれば迷わず「締切」と書けます。また、営業部の鈴木さんと経理部の佐藤さんが記事を書いても、スタイルガイドがあれば、「お客様」か「顧客」か、「売上高」か「売り上げ高」か…こういった迷いがなくなり表現を統一することができます。
このように、明確なガイドラインがあれば、初めてのメンバーでも統一感のある原稿を作成しやすくなります。効率的な作業フローを確立することで、コンテンツの制作をスムーズに進めることができます。
社内で何度チェックしても、どうしても見落としがあるものです。そこでプロの校正者がいるデザイン事務所に依頼することで、用字用語の統一や文章全体のクオリティをさらに高めることができます。
例えば、「製品」と「商品」の使い分けや、「Web」と「ウェブ」の表記の統一など、細かい点も見逃しません。また、「弊社の新サービスをご利用できます」という硬い表現を「弊社の新サービスをぜひお試しください」とより親しみやすい表現に変えたり、「当社は顧客満足度向上に努めております」を「お客様にご満足いただけるよう日々努力しております」と具体的で温かみのある表現に修正したりします。特に多くのスタッフが関与する場合、このプロの校正の目が大切です。
外部の専門家の視点で見てもらうことで、社内では気づかなかった改善点が見つかることも。クオリティが向上し、結果としてより分かりやすく、信頼性の高い情報を提供できるようになるのです。
用字用語を統一するためには、いくつかの具体的な取り組みが有効です。
社内報、会報誌、広報誌を作成する際に、用字用語の統一は非常に重要です。これにより、コンテンツの一貫性や信頼性が保たれ、読者とのコミュニケーションがスムーズになります。そのためには、スタッフ一人ひとりの意識が重要です。
また、プロの校正者を活用することで、さらに品質を向上させることができます。特に間違いやすい言葉を見極めて統一感のあるコンテンツを提供することが、読者からの信頼を得るための鍵となります。これからも用字用語の統一を重視し、高品質なコンテンツ作成に努めていきましょう。
社内報・会報誌・広報誌でお困りごとがありましたら、
豊富な実績と経験を活かし、アドバイスをさせていただきます。